不倫をしてみた女 Part2

前の彼が純粋に大好きだった。

ひたすらわたしに優しくて

いつも誉めてくれて

とにかく女子として取り扱ってくれたから

守ってもらえているという、安心があった。

居心地がよかった。

 


けど不倫だった。

 


彼と別れてからも引きずっていたわたしは

次に彼ほど好きになれる人なんて出来ないと思っていた。そして

お互いが遠く離ればなれになって

いろいろ辛い思いをするのは、不倫という罪を犯した。全ては罰なのだと。。。感じていた。

もうこれ以上、好きと思える人に

出会える気なんてしないと本気で思っていた。

ちゃんとした彼氏ができないのは

自分に欠陥があるからと、日々、責め続けた。

 


実は…実際には別れ話はしていない。

彼は福岡の人。わたしは東京の人。

別れるきっかけは

単身赴任中だった彼が、福岡本社に戻る事になったこと。自分の意思で。

彼は、今まで何もわからない

友達もいない土地。関東で

仕事をしながら1人、寂しさを味わっていた。

色んな相談にのったし、悩みを聞いてあげたし癒してあげたと思う。

だってわたしは彼にとって東京にいる唯一の

深い関係の人であったから。

 


住んでいる場所が

群馬→東京と遠かったので

あまり会ったりはできなかった。。

 


それでも毎日のように、電話したり、ラインしたり、いろんな事を話した。

 


けれどもやっぱり、彼は

仕事の悩みと、寂しさに勝てなかったらしい。不眠と頭痛が続き

いよいよ、普段の生活に支障をきたすようになった。

 


その姿を見てつらかった。

だって彼は

無理に東京にいる必要はないのだ。

わたしが東京に居るから、簡単に

福岡に帰る決断ができないと言った。

 


福岡に帰れば、仕事もうまくいくし

家族も友達もいて寂しいはずはなく、今の悩みから全て解放されるのだ。

わたしはそれを痛いほど分かっていたから

彼の為に

帰った方がいい。。と伝えた。

彼は

あなたは何でそんなに強いのか?

と聞いてきた。

 


強いのではない。。

彼の為にはそうするべきと本当に思ったのだよ。

わたしが彼の全てを救ってあげられる自信もなかった。

けど帰って欲しいはずなんてない。

つらかった。。。

 


最後の日

彼は必ず東京に帰ってくるからね。

と言い残して羽田を後にした。

今だから分かるが、帰って来る気は全くなかったのだと思う。

けれども、わたしはその言葉を信じた。

 


最後まで言ってくれなかったね。

と彼は言った。

その言葉が、何だかわかっていたけど

言えなかった。

 


行かないで。帰らないで。…と。

 


今の彼には

ずっと一緒にいたいという気持ちを

必ず伝えたいし

いっぱい会いたい、と伝える。

伝えられずに後悔する恋愛にしたくない。。。

そして、一緒に解決策をみつけて

乗り越えられる相手だと信じている。

 


言えないつらさ

言わないつらさ

 


恋愛はつらいものじゃなくて

楽しいもの!